この時期になると男でもゴディバ(チョコレート)の名前を聞くようになります。
ゴディバと聞くと思い出すことがあります。
いえ、別にスイーツな思い出とか、そういうんではないです。
かれこれ4、5年前に一人ロンドンから鉄道を使ってイギリスのウェールズ北部を旅しました。
それは今までで最もひもじくて孤独を感じた旅だったのですが、今回はそのことではなくそのウェールズからの帰りのことです。
その日のうちにロンドンまで着けばいいので、途中下車して観光をしようと考えました。
「地球の歩き方」を見てみるとチェスターがよさそうです。
そして実際にチェスターはよかった。チューダー様式の町並みがキレイで、それにウェールズでひたすら寂しい気分に浸りきった後でしたので観光客の人波に逆にホッとしました。
チェスターを出たのがもう2時かそれぐらいだったので、あと寄れるのはどこでしょう。
一泊でもできればシェークスピアの出生地、ストラトフォード・アポン・エイヴォンでも行けそうですが、無理です。
路線上にある街、コヴェントリーなら寄れます。
観光地とはいいがたいコヴェントリーで見るものといえば、ゴダイヴァ夫人の像とコヴェントリー大聖堂の破壊跡ぐらいです。
ただこのゴダイヴァ夫人と領主レオフリックのエピソードにとても惹かれました。
重税に苦しむ領民を気の毒に思ったゴダイヴァが、夫レオフリックに税を軽くするように申し述べたところ、レオフリックはゴダイヴァが慎み深い女性であることを知りながら「お前が全裸で馬に乗って町を一周したら考えてやろう」と言った。悩んだ末にゴダイヴァは決意し、町中の民に外を見ないように命じた上、長い髪だけを身にまとって馬で町を一周したのである。町民はみな、このゴダイヴァのふるまいに心を打たれ、窓を閉めて閉じこもった。これにより、レオフリックはやむを得ず税を軽くしたという(なお、このときにただ1人外を覗いた男がおり、これがピーピング・トム(Peeping Tom)という言葉の由来になったという)。(ウィキペディア「コヴェントリー」より引用)
ピーピングトム!これが由来なのか。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で若い頃の父親が女性の着替えをのぞきしているのを見たマーティーが「He's a Peeping Tom.」と言った、あのピーピング・トム!
そしてゴダイヴァ⇒⇒(特にイギリス英語はつづりの「i」を「イ」ではなく「アイ」と発音する:注)自分しらべ)⇒⇒ゴディヴァ!
ゴディバ・チョコレートのゴディバ!
つながるつながるアハ体験。
左:ジョン・コリア作「ゴダイヴァ夫人」 右:ゴディバ・チョコレートのロゴ
そしてそのエピソードを知ってから、クイーンの「ドント・ストップ・ミー・ナウ」の歌詞にもゴダイヴァ夫人が登場することが分かりました。
「I'm a racing car passing by like Lady Godiva」
Queen - 'Don't Stop Me Now'
ゴダイヴァ夫人(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A1%E5%A4%AB%E4%BA%BA