風は海から

1985年の岡村孝子のソロデビューシングルで、1stソロアルバム『夢の樹』のオープニングナンバー。
夏の青空のもとでこの歌を聞くと、いつでも爽やかな気分にさせてくれます。

岡村孝子 風は海から PV

映像を見ると「孝子さんはやっぱりキレイやなー」など、視覚でまず頭がいっぱいになってしまいますが、
耳で歌詞を追いかけて情景をイメージしてみてください。

「海の見える 国道沿いの店 壁にかかったメルヘン画 四季を彩る」

雲ひとつない青空 鎌倉あたりの海沿いの国道 そこにある一軒の喫茶店
平日で静かな海 人けもまばらな店内 そこに座る2人 壁には淡い色で描かれた四季の絵がかかっている


どうです、情景を頭に描きながら聞くと歌の世界に引き込まれませんか。メルヘン画というのがまた昭和な感じでグーです。

この歌は歌詞だけをとりあげて読むと、男女のすれ違いを歌ったせつない内容かもしれません。
けどそこにメロディと歌、そして上質な萩田光雄アレンジが合わさることで爽やかな一曲となっています。
人生のほんのワンカットだと。


岡村孝子23歳の頃の作品。
僕はこの歌が出た当時にリアルタイムで聞いていたわけではありません。
「アイドル」の定義はとてもあいまいなものですが、
自分にとって孝子さんは完全にアイドルでした。

10数年前まではCD屋に行けば必ず「岡村孝子」の枠があって10枚ほどは孝子さんのCDが置かれていました。
それがその後、「あ行」のくくりの中に置かれているのを見たときは、とてもさびしい気持ちになったものです。
流行歌は時代時代で新しいものが出て古いものが廃れていきます。
だけど変わらずいいものはいい。