昨年9月に行った尾道・竹原への小旅行のこと(8)

相生(兵庫県)を出た電車は岡山へ向かう。
山の間を縫っていくような地形のためか、電車はかなり速度を落として走行。
それも岡山の市内に近づいて徐々に土地が開けてくると、スピードも上がりそして乗降客も多くなってきた。
休日だけど学生も多い。
そこに乗っている人には単に日常の光景だろうけど、我は旅人。
そんな気分で車内や人を見る、実際には大阪と岡山で何の違いもないんだろうけど。
はたから見れば、物珍しそうに周りを見ている僕は異質に見えたかもしれない。


岡山駅に着いた、ここで乗り換え、ホームは人で込み合っている。
人の混雑具合や雰囲気で、ここは地方のメインの駅だと分かる。
たしかこの時点で午後3時4時ぐらいだった。
岡山の街も見たいし食事もしたいところだけど、
西明石−姫路間の不通で予定よりもずっと遅れているので、すぐに広島行きの電車に乗った。

さあ尾道を目指そう。
車内は混んでいたけど、ここでも幸い席に座れた、車窓に肘をつき街並みを眺める。
朝出たときどんよりしていた天気も、ここに来てすっかり晴れて、斜めから射すようになった太陽はオレンジがかってきた。

福山も越えるとなんとなくだけど、大林映画で見た風景に近くなってきたような気がする。
そういう何かを期待して「気がする」感じは旅人の勝手な都合かもしれない。
いや実際に雰囲気がいいぞ。
関西育ちの自分が、何をしていたのかほぼ初めての瀬戸内海・山陽地方

ついに車内アナウンスが「尾道」を告げる。
尾道

(つづく)