昨年9月に行った尾道・竹原への小旅行のこと(9)

青春18切符の旅、ついに尾道駅に着いた!

一人興奮して改札を出る。
もともと感情、特に喜・樂が表情に出ないタイプなので、外からは分からないと思うけど内面は興奮して浮ついていた。

尾道
おのみち!
やっぱりええ響きやなあ、ジ〜〜〜ン。


さて今日は尾道に一泊だ。
まず宿を決めなければ、
時間からして今日は観光はできない、食事をして、あとはホテルでのんびりしよう。
4時50分ぐらいだったと思う、幸い駅構内の観光案内所はまだ開いていた。
そこで観光マップをもらい、ホテルを2、3教えてもらった。

そして明日の「時をかける少女」のロケ地巡りにそなえ、ネットで収集していた情報は大雑把だったので、ここで場所を確認しておきたい。

「『時をかける少女』のロケ地、芳山和子の家は、この観光マップでいうとどのへんですか?」

そうはっきり聞ければ一番いいのだけど、元来が恥ずかしがりの上にヘンにカッコつけなところがあって、どうもはっきりとは聞けない。
そうして遠まわしに聞いていると、さすが!大林映画のロケ地巡りだと察してくれて(ナイス!)、大林映画ロケ地巡り用の観光マップ(!)を出して説明してくれた。(感謝!)


電話して、駅から徒歩10分ほどのビジネスホテルに決める。

ホテルに向かおうと、駅から少し歩くといきなり!「さびしんぼう」で富田靖子が自転車通学に使う船着場の福本渡船がある!
あのシーンだ、泣きそうだ!

普段そこで生活されている方にはごく生活の光景かも知れませんが、僕には新鮮な情緒のある美しい景色です。
ちょうど夕焼けもきれいだし、船もちょうどいいタイミングでこちらに向かって来る。
その岸から何百メートルか先には、すぐ島がある。渡し船はそこと渡しているのだろう。

実際には自分は映画のシーンしか頭に入っておらず、尾道の地形まではまったく把握していないことにあらためて気づきます。

しばらく船着場で景色に浸ってからホテルに向かう。
ホテルのカウンターでお金を払い尾道ラーメンの店を2つ教えてもらう。
まず一番の有名店に行ってみると遅い夏休みで休み、もうひとつのお店で並んで待って尾道ラーメンをいただいた。
おいしかった。
一人旅自体は好きだけど、土地の美味しいものを食べようとすると一人は都合が悪いことが多い。
このときも本当なら地元の居酒屋でも行きたいところだったけど、一人では行きづらく、ラーメンを食べた後はビールとつまみを買ってホテルに戻った。


部屋でビールを飲みながらのんびり。
普段はテレビを見ていないから、こういうときはたっぷりテレビを見るのもまた楽しいもの。
国内でも海外でも、旅行するとその土地の天気予報を見るのが楽しい。
普段自分が見ている天気予報と違うのが、理屈では分かっても、見ているとなんだかフワフワ不思議な気分になれる。

スポーツニュースを見る。
今はもうスタメン選手の名前も分からないぐらいで、ファンと言うのも申し訳ないけど、一応30年来の広島東洋カープファンです。
(やっぱりモーニング娘。鞘師里保ちゃんのメンバーカラーが赤なのは、赤ヘルから来てるのかな?と常々考える)
その日は、エースの前田健太が投げて、主砲の栗原健太のホームランでカープが勝っていた。
カープファンにはたまらない勝ち方。

もし台風の影響がなければ、本来は2泊3日の予定で、この日は僕も広島マツダスタジアムでこの試合を見て、今頃はお好み焼きを食べているはずだった!
(しかもファンでありながら、初広島、初ホームゲームになるはずでした)
自分の巡りあわせの悪さがうらめしかった。
(そのときはまだ、その台風が起こした被害を知りませんでした。)


さて、もう寝るか。
明日は朝6時には起きて、ロケ地巡りするぞ。
部屋の明かりを消す。
窓から海と島が見える。
観光客のエゴなのかも知れないけど、島のパチンコのネオンがなければもっといい景色なのになと思った。

(つづく)

映画「さびしんぼう」予告編