昨年9月に行った尾道・竹原への小旅行のこと(おしまい)

今日はもう竹原に来る前に、帰りの電車とその乗り継ぎの時間もちゃんと計算していた。
なんといっても相生からは新快速に乗れるので、案外時間の余裕はある。

竹原の駅で電車を待つあいだ、ホームの端のほうでま歩いて行って、直にホームに座ってみる。
台風一過、今日は青空。
いい電車旅だった、必ずまた行こう。



子供の頃の遠足でもよくそう感じたけど、折り返すとあとは感覚的に時間がすごいスムーズで早く感じるもの。
順調に電車は東へ向かう。

なんかこのまま帰るのもさびしい気もするな。
しかも今まで岡山で下車したことはない。


「倉敷〜倉敷〜」
電車が倉敷駅のホームに入っていくと、蔵を模したデザインの壁が見える。
何の下調べもしてないけど、聞いたことがあるしこの雰囲気、倉敷にはなんかありそうや!

思いつきで電車を飛び降りた。
なんかあるはずや、これも自由旅行のひとつの楽しみかもしれません。


倉敷では倉敷美観地区を回りました。
年齢とともにそう気づくことが多くなりましたが、昔ながらの建物も新鮮で美しい。
美観地区というだけあってきれいに整備されていて歩くのも楽しかった。(一人でもね〜)
そこでは紡績業のことを少しだけ学んだり、そう、非常にベタではありますが、きびだんごを食べたはずです。
いや、おいしかった。

きびだんごって原料が「キビ」の団子なのか、岡山の昔の呼び名「吉備」の意味なのかずっと気になっていたんだけど、ウィキを見てみるとどうも双方の意味があるようです。



倉敷を後にしても、まだ時間的には余裕があった。今日中に大阪の部屋に戻ればいいんだから。
そこで、持ち歩きの小型時刻表を見ながら、東岡山からは山陽本線ではなくあえてローカルの赤穂線に乗ることにした。そうすると播州赤穂から新快速の始発に乗ることができる。

赤穂線に入ってからは、乗客は通学の帰りの学生ばかりだった、もう夕方。
車窓からの流れる町並みや車内の高校生の雰囲気を見ていて、自分が今まで岡山に持っていたイメージが間違っていたことが分かりました。
失礼ながら岡山というと地味な印象が強くて、(古くは漫才コンビB&Bのネタにもあったような・・)、田舎だと思っていたんですが、町並みも学生の雰囲気も垢抜けている。
それでいて、大都市部のトゲトゲしさのようなものはなくて穏やかな感じ。
海あり山あり、ほどほどに都会でほどほどに田舎、とてもいいところだなとそう思いました。

電車が進むごとに、乗客は減っていき、そして外は暗くなってきた。
車窓には景色に変わってだんだんと自分の姿が映るようになる。
夜の静かな電車、これもいいんですよね。
過去、千葉の外房線や岩手の釜石線に、夜一人で電車に乗ったことを思い出します。

播州赤穂に近づくにつれて大きな工場などが見えるようになった。
地方のこういう地元安定企業(もちろん役所も)に勤めて車通勤でマイホームと家族を持つ、それもいいものだろうなあ、と景色を見ながら想像する。今の自分を悲観するんではなくて、想像して楽しんでいる。



播州赤穂駅から始発で新快速に乗った、最高なり。
姫路・明石を超えて神戸・大阪に近づくにつれ通勤帰りの人たちでごったがえしてくる。
おおげさに言うと、元の現実世界へ帰ってきた気分。

大阪駅内の551蓬莱で豚まんと焼売を買った。
部屋に戻ったら、こいつとビールでお疲れさんや。
ほんまにええ旅やった、ようし明日からまた頑張ろか。

(おしまい)