読書と年齢

ここ数日、去年ブックオフでまとめて買ってあった新潮文庫シェイクスピアを読んだ。
去年すでに読んでいたものも入れて、

リア王
ロミオとジュリエット
ハムレット
『オセロー』
マクベス
ヴェニスの商人

の六作品。
おもしろかった。

ミレーの美しい絵画「オフィーリア」はこれか(ハムレット)とか、
アン・シャーリー赤毛のアン)が「コーデリア」と呼んでくれと言ってたのはこれか(リア王)等々、
理解したこともあって、このぐらいの古典はもっと若いうちに読むべきだったと思う。

ただ、
年齢によって物語の見方が違うこともあると気づく。
さすがに密度は薄いとはいえ中年男性なりの深みで物語を読んだわけです。
ロミオとジュリエット、若気の至りや無謀さを感じましたし、
オセローの焼けつくような嫉妬も、いちおう分かるわけです、ジェラスガイですジェラスガイ。


15年ほど前になりますが、とある人、女性と知り合いになりました。
今はどうされているかは分かりません。
当時で80歳ぐらいだったはずですので、もちろんご老人、おばあさんではあったのですが、
その方は知的で雰囲気も凛とされていて、気さくな人でしたがそうは呼べないオーラがありました。

普段何をしているかというと、若い頃に読んだ小説・文学を読み直してるんだとおっしゃる。
若い頃に読んだ感じ方と今の年齢で読んだそれとどう違うか知るために読むんだという。

自分の家族や親戚にはそんな知的な人は皆無です。
モーレツに感動しました。
そして、その人が薦めるのがドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』と、チェーホフの『ワーニャ伯父さん』でした。

敬意を持った人の薦める本や映画は、できる限りは読むことにしてますので、両方読みました。
特に『カラマーゾフの兄弟』は、読むのに時間はかかりましたが、すごく感動しました。
そしてそのことを伝えると、ずいぶん驚いていました、あの長い小説を読んだのか?と。
そんなに本を読むようには見られてなかったのかもしれません、ハハハのハ。

(余談ですが『カラマーゾフの兄弟』はおそろしや父親殺しの話ですので、この小説が好きだという人・社会には何かしら心の根底にゆがみを抱えていると考えます・・・私もですが)

その方はずっと独身だったらしいですが、若い頃はたいそうな美人だったと聞きました。
たまに思い出すんですが、もしこの人が自分の母親だったらどう育てられていただろうかと。
まあ単なるモシモです。


John Lennon - Jealous Guy