「冬冬の夏休み」と「恋恋風塵」

台湾映画が見たくてアマゾンプライムを探したら、名前は知っていた侯孝賢ホウ・シャオシェン)監督の映画が二本あったので見ました、「恋恋風塵」と「冬冬の夏休み」。


二本ともちと古い1980年代の映画です。また共通して話の流れを少し引いた第三者の視点で眺めるようなスタイルの映画でした。
そしてノスタルジックな雰囲気がありました。

 

 

「恋恋風塵」(1987年)
1960代の台湾の山間部で育った竹馬の友の男女の青春期の光と影の話。
この映画は台湾の人でないと理解が難しいのではないでしょうか。少なくとも時代背景は頭に入れておいたほうがよいと思います。

 

ここ最近、台湾に関する本を何冊か読みましたが、台湾を観光していて感じる、私も好きなその穏やかな雰囲気からは想像していなかったほど、歴史や事情は複雑です。
台湾は、およそ半世紀の日本統治時代が終わった後、今度は大陸から渡ってきた国民党の統治となり1987年までは戒厳令が敷かれていました。
この映画に漂う少し重たい空気は、その時代を反映したものかと想像します。

 

「冬冬(トントン)の夏休み」(1984年)
とても好きな一本です。
子供たちが主人公ですが、まさに、僕の夏休み、大人は分かってくれない、の世界です。
母親が病気で入院して、夏休みに兄妹は農村の母親の実家にあずけられて、地元の子供たちと自然の中で遊んだり、不思議な人と会ったり、大人の事情に不安を覚えたり、大人をかき回したりがコミカルに映されています。
演技演技していなくて伸び伸びと子供の子供らしさがよく出ていて、それは侯孝賢監督の演出の力によるものと思います。

 

この兄妹が印象に残り、今でも役者をやっているのかなと調べたところ、女の子の役者さんは中国語のウィキにありました。子供ながらに利発そうに見えましたが、台湾大学を卒業してまだ現在でも活動をしているようです。

 

台湾の風景には、どこか昔の日本の雰囲気があり、その時代に生きていないにしても懐かしさがわきます。
この祖父母の家には日本式家屋が使われていて、映画内で場所が分かる映像があったのでGoogleストリートビューで見てみると、その家が今でも存在していました。(銅鑼駅(トンロウえき)を出て左にちょっと行ったところ)
木造家屋を残すのは大変なことだと思いますが、ここにも台湾の人に感謝の気持ちがわきます。

 

侯孝賢監督の出ているこんな映像がありました。