とりとめもない話です。
昨日、泉鏡花の「高野聖」(こうやひじり)を読み終えました、短編です。
泉鏡花は初めに「竜潭譚」(りゅうたんだん)を読んでみたんですが、古文体?で文章自体が理解できませんでしたが、「高野聖」は近代日本語という感じで読めました。
内容は日本昔話にもありそうな深い山中のちょっと怖くて「妖」しいお話ですが、それは置いておいて、もろもろ頭に浮かんだことなど。
泉鏡花は石川県金沢の出身。
金沢には5, 6回訪れていますが、読んだことがなくて意識していなかったですが、観光名所のひがし茶屋街の近く主計町(かずえまち)の界隈が泉鏡花の生家で、現在は泉鏡花記念館となっています。
金沢は雰囲気がありますね。戦時中に空襲に遭わなかったようでそのため古い日本家屋が残されていて、そこに川あり緑あり美しい城下町の風情が漂っています。
あの古い家屋の一階部分の格子?ですか、細い木を縦にそれをずらっと横並びにして外からは採光しつつ中が見えないようになっている。
その格子と瓦屋根の組み合わせは、まさしく日本の美。
あれがたまらなく好きなんです。
舞台は広島の尾道・竹原ですが、大林宣彦の映画「時をかける少女」を見始めにぐっと心をつかまれたのは瓦屋根が並ぶ古い家屋のオープニングでした。
話は飛ぶんですが、正月に読んで面白かった「花神」から思い出して、「適塾」見学に行ってきました。幕末から明治維新にかけて緒方洪庵によって開かれていた医学・蘭学の塾で、門下生には「花神」の主人公の大村益次郎、慶應義塾の創設者の福沢諭吉、また多くのその後の医学界を築いた人物が出ています。場所は大阪の中心といっていい、ビジネス街の淀屋橋駅の近くにあります。大阪に育った自分ですが、そこを訪れたのは二回目・・笑。地元とはそんなものですね。前回、いつだったかも忘れましたが開いてなくて中に入れませんでしたが、今回は入れました。
この大部屋で塾生が生活していたのかと思うと感慨深かったです。
複製が多かったですが、いろいろと当時の書簡なども展示してありました。
もちろんお分かりと思いますが、草書体というんですか筆書きのしゃらしゃら書かれているあの文字がまったく読めません。(笑)
それに加えて、泉鏡花「竜潭譚」の文体や、そして吉田松陰が残した著作を今読んでいるんですがこれも現代語訳がなければほぼ理解できません。
紫式部の1000年前の平安時代ほど昔なら分かります、が、♪たった100年前田けど~♪ですよ!英語で例えると、シャーロック・ホームズやディケンズの時代ですよ。
その時代の日本語の文がなぜ読めないのでしょうか。当時教育を受けた人は書けて読めたわけで、もちろん現代人でも訓練をすれば読めるようになる気もします。はてそれが、どれぐらいかかるのでしょうか、どうやったら読めるようになるのでしょうか。
以上、とりとめのなく書きましたが、年齢を経るごとに未来より過去、外より内に興味が向くものと思いますが、いろいろ物事を俯瞰で見れるようにもなってきてそれもまた面白く、日本のことをより深く知りたいと思うようになってきました。
スマイレージ 「○○ がんばらなくてもええねんで!!」
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