サンタルチアを聞いて思い出す、ナポリの美しさと恐怖

Santa Lucia


音楽は、その音楽が生まれた土地に行くとより理解できる気がします。
理屈で分かるというよりも、音楽が体に浸透するように、感覚として理解できる感じです。

数年前にイタリアを旅することができました。
ベニスから南下してナポリにも行ったのですが、その後でテレビや動画でいわゆるカンツォーネを聞いてみると、ああいいな、と思うようになりました。
歌と、ナポリの町並みとあの強い日差し、乾いた空気と青い海青い空が重なるように感じられたんです。

「サンタルチア」
サンタルチア地区から眺めた夜景の美しさは、今までで見た一番美しい夜景でした。

そんな美しいナポリですが、しかし!その反面、ナポリ駅を降りた瞬間に感じたあの恐怖感も今までで一番でした。(苦笑)
ここはスラムか・・・と。
街も汚い、人の雰囲気が違う、目のするどさも半端ない。
さらに自由旅行でしたので、ネットで安めのホテルを予約してたんですが、土地の人たちだけが住んでいるような薄暗い地域にある。
ホテルの中はきれいでよかったのですが、そこに行くまでが怖いなんてもんじゃない。
しかも当時はナポリのゴミ問題が日本でも報道されていた頃で、まだ街のあちこちにゴミが路上に積まれていて、恐怖を演出しているわけです。
それでも予定どおり3日ほど滞在して観光もしましたが、ナポリ駅を後にしたときは本当に脱出した心地でした。「よかった無事に帰れた」
その後ローマに行ったらホテルのイタリア人に、「ローマはスリさえ気をつければ安全なところだ、ただナポリ(南部)は危険だから気をつけろ」と言われる始末。

今どうなっているかは分かりませんが、特に女性がいる場合は自由旅行で行くことは絶対やめておくべきです。少なくともホテルはちゃんとしたホテルに泊まるべし。団体ツアーであれば観光地として十分に行く価値はあるところだと思います。
ヴェスヴィオ山を望む眺めは美しく、青の洞窟のカプリ島があり、バツグンにうまいピザ(これは最高!)があって、圧巻の世界遺産ポンペイ遺跡もある。観光地としてはローマに劣らないと思えるだけに惜しすぎる。

フニクリ・フニクラ Funiculì funiculà

戦争と平和』進捗
第1巻294ページ