雨のセビリア

ドン・キホーテ』(牛島信明訳/岩波文庫)の前篇3巻を読み終えて後篇を読み始めています。
想像してた以上にずっと面白い。
「面白い」といってもいろんな面白さがありますが、古典的名作の長編というイメージからする堅苦しくて難しい感じはなくて、シンプルに楽しくて笑えて面白い。それでいて波乱万丈の人生を送った作者セルバンテスが58歳を越えてから出版された作品ということもあってか、いろんな人生経験の深みにあふれています。

この『ドン・キホーテ』を呼んでいるとよくセビリアの名前が出てきますが、その時代、400年前にはセビリア(セビージャ)はすでに中心都市だったんだなと分かります。

去年にスペイン旅行をしまして、セビリアにも1泊滞在したのですが、自分にとってせっかくのセビリアは何もできずに終わったなあというだけの思い出となりました。

前日の夜にマドリード・バラハス国際空港に到着して空港の近くのホテルで一泊して翌朝6時だかには出発して高速鉄道AVEに乗ってたしか昼前にはセビリアへ着きました。計画としては無駄もなくていいんですが、それが日本からの飛行機の中でもホテルでもなんだか興奮して眠れず、要は丸2日間ほとんど寝てない状態で、ろくに食事もとらず、重い荷物抱えて初めての土地に着いたわけです。

言葉もまったく分からない、現地のお金の感覚もまだつかめてない中で、セビリアのサンタ・フスタ駅から公共バスに乗って「地球の歩き方」だけを頼りに街の中心部に向かいました。「地球の歩き方」は自由旅行のバイブルで必携のガイドブックではありますが、中心都市から外れれば内容の正確さもそれだけ薄くなっていきます。たしかそんな感じで目当てのバスに乗れなかったようで、バスがどこに向かっているか分からなくなり、街も細い道で右に左にという感じで方向もつかめない、そしてある場所でみんな一斉に降りたので自分もバスを降りました。どこか分からないまでも、広場だし人も多いしマクドナルドはあるし、きっと街の中心地のどこかであることは間違いない。

ただ地図の中のどこかが分からなくて、雨がパラつく中そのあたりを30分ぐらいウロウロと目印をさがして歩きました。ちょうど土曜日だったこともあってかお昼どきで食堂の中は楽しそうにワイワイと談笑しながら人たちが食事しています。そういえば自分は機内食以来まともに食事していないな・・。これこれ、これが一人旅最大の欠点!食事がとりづらい。

やっと場所がつかめて、観光スポットのセビリア大聖堂まで歩ける距離でした。
ヘロヘロな状態で大聖堂を見学。自分の知識の浅さのせいですが、大聖堂はどこも同じに見えてしまいます。その後、近くのスペイン王室の宮殿アルカサスを見学しようとするも入口が分からず、またひたすら周りを歩くなり。結局分かった入口は大聖堂から近くでした。

腹も減った、眠い、疲労困憊。そうこうしてるとホテルのチェックイン時間になったので、これはもう次の観光より前にホテルで荷物を降ろして休憩するべとホテルの場所を調べると、なんと!バスを降りた広場にあるじゃないですか。そこまでまた20分ほど歩いてホテルの近くへたどり着いたとき、食事をまずしようと思ったのですが、せっかく初めてのスペインに来たので当然スペインのおいしいものを食べたいところですが、疲れてるし言葉もまったく分からなくて一人気弱になっているし、これはもう世界の合言葉マクドナルドを持ち帰りして、ホテルで食べようと決めました。
これも世界中どこでも同じです、休日の昼のマクドナルドは人ごみでカオス。どうにかこうにかセットを買うことができてホテルにチェックイン、部屋はせまいながらも清潔で居心地がよくて、ようやくゆっくり落ち着いて食事することができて生き返りました。テレビをつけると、チャーリーズエンジェル(多分フルスロットル)の映画がスペイン語吹き替えでやってます。スペイン語の感じも新鮮だし、初めて見たチャーリーズエンジェルもバカバカしくて面白い。夕方5時ぐらいまで昼寝して(おおまさにシエスタ)、そこからフラメンコを見に行くことにしようと、チャーリーズエンジェルを流しながらスイスイと寝ました。


これがいけなかった!!!!


2日間ほとんど寝てなかったうえに、現地の昼3時は日本時間では夜11時、ちょうど睡眠サイクルにがっつり一致してしまいました。
やあっちまったな〜、そのまま夜9時まで寝てしまいました\(^o^)/

終わった、何もかも、、俺のセビリアは終わった。観光もまともにできず、本場セビリアのフラメンコも見過ごしてしまった。

とはいえさすがにそのまま終わるわけには行かない。そこからホテル近くのバルに入って、何を頼んでいいのかさっぱり分からなかったものの、店員さんが親切にしてくれて、これか?これか?といろんな皿を手で示してくれてビールとタパスを何皿か食べることができたのでした。
そして、そのあと水を買おうと入った雑貨店でちょこんと座っていた80歳かそれ以上ぐらいのおばあさんに「日本人?」と聞かれました(←なんとなくハポンとか分かった)、それで「Yes」と答えると「だと思った、厳しそうな顔をしてるから」と笑いながら言われました(←なんとなくジェスチャーで分かった)、これには僕もハハハハと笑って、ありがたいことに初めての土地の緊張がちょっとほぐれました。ちなみにその後の数日のスペイン旅行の間は、スペイン人にも日本人にも僕は中国人と見られていたようです、さらには帰りの空港では当の中国人にも「分かるよ、上海人だろ?」と聞かれました、なぜかは分かりません。



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さて今日はこれから℃-uteの大阪公演に行きます!

はーじーけーるー
ぞ━━━\(゚∀゚)/━━━い!!!